クリスマスに出会った素敵な人の話

「メリークリスマス」

昔は人並みに楽しんでいた時期がやってきた。今はどうだろう、昔にハリキリすぎて失敗して以降は”頑張らない”をモットーに生きている。それも板について、最近のクリスマスは本当にワクワクすることもなくなった。今年は不思議なことにマライヤキャリーのあの曲を聴くこともなかったし、例年派手に装飾していた道も、いつも通り。世間も知らないうちに草食動物と化したのだろうか?

クリスマス当日の仕事が終わり、テンプレート化された挨拶で同僚と別れる。

「おつかれ」

この言葉の万能性には驚く。ミジンコみたいな私の社会性をバレないように隠してくれる。

ここまでは完璧。クリスマス特有の話ものらりくらり、やり過ごしたが、油断はできない。どうせ帰り道でクリスマス感の押し売りがあるんでしょ?

気付いたら家の前まできた。後はエスカレーターに乗るだけで”頑張らない”クリスマスの完成だ。

エスカレーターに乗る。知らない人がタイミング的に同行することになった。世間話をし、先に目的地についたその人が降りる。

「では、メリークリスマス」

え?なんだろう、この気持ち。今日聞いた”クリスマス”の中でも一番グッときた。今日だけで何度も聞いた”クリスマス”という言葉は贋作で、コッチが本物な感じ。私に向けたクリスマス。知らない人との別れの挨拶は「では」で済ますのが社会人。それ以外の言葉は蛇足、使わないのが正解。だってその蛇足ですら危険な場所が社会でしょ?

あまりにその人が自然と私に向けて言ってきたものだから、私は笑って「では」と返した。

ちゃんと、人に向けてクリスマスといえるその人は素敵だと思う。昔のワクワクしていたクリスマスを思い出した。

来年は少しだけ頑張ってみてもいいかもしれない。

メリークリスマス。

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