【映画】『サブスタンス』コラリー・ファルジャ監督の持つ広告デザインっぽいルックの正体

「痛い、痛い」とつぶやきながら観た『サブスタンス』、めちゃくちゃおもしろかった。

ゴア表現が苦手で医療系のドラマですら受け付けない体質だけど、あまりの評判の良さにアマプラで視聴。そういう場面は視野見しながらの鑑賞となった。ちなみに”視野見”は綿矢りささんの小説で出会った言葉でお気に入り。

ルッキズム、エイジズムの蔓延るショービズ業界で働く主人公。プロデューサーから年齢を理由に番組を降板させられるがアレコレあって若返りに成功し、番組に復帰。さあ、どうやってプロデューサーにやり返すのだろうと期待したが、一切の軋轢もなく彼や業界に迎合しショービズ界に復帰する。この演出に闇の深さを感じつつ、ショービズ業界ってそんなもんなんじゃね、と思ってしまうのもまた闇なのか?

ルッキズム、エイジズム、フェミニズム。モチーフも面白いし演出もおもしろい。

ただ、コラリー・ファルジャ監督の持つスタイルやルックの方も気になる。

前作『リベンジ』からゴア表現が好きと分かるし、本作も観てて気分が悪くなったので手腕も確かなんだろう。いつもなら「この監督のスタイルと自分は合わない」とか言って鑑賞をやめただろうが、そうしなかったのはルックへの興味。

監督の広告デザインルックな画作りが新鮮で観賞を続けた。例えばシンメトリー構図を多用した本作。映画好きなら「お?キューブリックへのオマージュ?」的な反応をする。でも、本作ではそれがLPやヘッダー画像、CMといった広告デザインを観ている感覚で、そんな反応は生まれない。カメラ好きなら「LOGっぽい」と言えば”確信ある感覚の話”が成り立つが、そんな話。”広告デザイン”っぽいルックをスタイルとしている監督なのかは現時点では不明だけど、このルックはどこからきているんだろう。

広告デザインは作品じゃない。とある商品やサービスを売れるようにする媒体。つまり被写体は一番目立つ位置にあるべきだし、日の丸構図が機能する。

映画には作法がある。いわゆる被写体を中心に持ってくる構図を”日の丸構図”なんて言ったりするが、洋画はあまり被写体を中心に持ってこない。だが本作は被写体を中心にもってくることが多かったように思う。それが”広告デザインっぽいルック”の正体なのだろうか?

広告業界で働く主人公、広告デザインっぽいルック。コラリー・ファルジャ監督は意図的にこうしたのか、それとも監督自身の持つスタイルなのか。まだ二作品しか撮っていないのでその点は計り知れないが、今後の作品に注目したい。

ゴア表現が私は苦手だけど、綿矢りさ先生に教えてもらった視野見で観賞していこうと思う。

余談として、邦画は日の丸構図を多用するが『国宝』を観た時に「洋画っぽい画作りしてるな」と感じた。帰って調べてみれば外国人カメラマンで納得。まあ、どっちがいいとかの話じゃないけどね。国宝面白かったなあ。

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